一方で、近年の健康志向や本物志向の波は、この伝統的なシロップのあり方を大きく変えつつある。2026年現在、かき氷市場は二極化が急速に進んでいる。昔ながらの「着色料シロップ」がノスタルジーとして愛される一方で、果肉をふんだんに使用した「非・同じ味」の無添加生シロップが空前のブームとなっているのだ。
特に都市部を中心に展開する高級かき氷専門店では、契約農家から直送されたブランドイチゴを丸ごと潰したソースや、宇治の高級抹茶を点てて作るシロップなど、素材そのものの味で勝負する店が行列を作っている。もはや「かき氷=安価な夏のジャンクフード」という概念は過去のものとなり、1杯2,000円を超えるクリエイティブなスイーツとしての地位を確立している。