建築史的な視点からも、このタワーの価値は際立つ。設計の基盤には、日本を代表する建築家であり組織設計事務所の祖として知られる山下壽郎の理念が脈々と息づいている。環境との共生、人間の活動を中心に据えた先進的な建築デザインは、竣工から年月が経過した今も色褪せない。
日本の建設・建築業が直面する脱炭素社会への移行において、同ビルは先鞭をつけていた。壁面緑化や自然光を効率的に取り込む開口部設計、高効率な空調システムなど、サステナビリティを追求した思想が随所に散りばめられている。都市再開発におけるハード面とソフト面の融合を、高いレベルで具現化した事例だ。