なぜ私たちは「子供が苦手」という感情に対して、これほどまでに深い罪悪感を覚えてしまうのだろうか。社会心理学の研究によれば、人間は「社会的望ましさ」という無意識の規範に強く影響を受けるという。母性神話や「子供を愛することは人間の本性である」という集団的言説が、個人の素直な感覚を「異常」と誤認させるのだ。
一方で、児童心理学や認知科学の観点からは、大人の脳が子どもの行動パターンに対してストレス反応を示すのは極めて合理的な現象だと説明される。予測不可能性や境界線の曖昧さは、脳の警戒モードを常にONにさせる。日本心理学会などの専門知見においても、個人の感覚器の過敏さやストレス耐性の違いが対人感情に直結することが示されており、「心が狭いから嫌い」という単純な構造ではないことがわかる。