コンクール期間中、ポーランドの首都ワルシャワは世界中からの音楽ファンと観光客で熱気に包まれた。ホテルは連日全室満室となり、地元のカフェやレストランではショパンにちなんだメニューが振る舞われ、経済効果は数百万ユーロ規模に達したとされる。
しかし、単なる経済的潤い以上に重要なのは、ポーランド国家と国民がこのコンクールに寄せる誇りの深さだ。フレデリック・ショパンという一人の天才が遺した文化遺産を、国を挙げて保護し、世界の若き才能を育むインフラとして機能させている。市民たちは街角で流れる中継映像に足を止め、熱心に議論を交わす。
国家が文化事業に投資し、それが世界最高峰のブランド価値を生み出し、次世代の才能を惹きつける——ワルシャワの成功例は、文化政策のあり方に悩む世界各国の都市にとっても極めて示唆に富むモデルとなっている。