2026年代前半を席巻した「タイパ」や「コスパ」という概念。無駄なことはしない、損な役回りは避けるという合理的な生き方は、一見スマートに見えた。しかし、2026年の今、その過剰な合理主義がもたらしたのは、組織の硬直化とイノベーションの枯渇だった。
「誰もやりたがらない面倒な仕事」を徹底的に排除した結果、企業からはスリリングな挑戦やブレイクスルーが消えた。こうした閉塞感を打破すべく、あえて泥をかぶるような役割を買って出る若い世代が一部で注目を集めている。彼らは単に利用されているわけではない。デジタルで平坦化された世界において、他人が避ける「摩擦」にこそ独自の価値があると見抜いているのだ。