1865年4月、南北戦争におけるコロンバスの戦い。南軍騎兵隊の少佐として参戦していたジョン・S・ペンバートンは胸部に深刻なサーベル傷を負った。瀕死の重傷から一命を取り留めたものの、襲いかかる熾烈な後遺症と神経痛は彼の日常を破壊するのに十分だった。
当時の医学において、耐え難い激痛を鎮める唯一の選択肢は強力な鎮痛剤の投与であった。彼は生き延びるためにモルヒネを頼りざるを得ず、やがて深刻なモルヒネ中毒に陥っていく。自らが専門とする薬学・製薬史の知識を動員し、依存から脱却するための代替薬開発へと突き進んだ動機には、この絶望的な闘いがあった。