スポーツコーナーにとどまらず、『サンデーモーニング』という巨大番組全体を揺るがしたのが、2026年4月7日放送回における関口宏氏から膳場貴子氏への総合司会バトンタッチでした。36年半という驚異的な年月にわたり番組のアンカーを務めた関口氏の勇退理由について、TBS公式発表では「次世代への継承」「番組の若返り」が掲げられました。
傘寿(80歳)を迎えていた関口氏自身の体力的な負担軽減に加え、デジタルネイティブ世代や女性視聴者層の獲得を目指す局側の戦略的判断が背景にあったことは衆目の一致するところです。独特のタメを作った語り口と、コメンテーターの意見を時に煙に巻きながら進行する「関口節」は、日曜日のお茶の間に圧倒的な安心感をもたらしていた反面、番組全体に固定化された昭和的な重苦しさを与えていた側面も否定できませんでした。
元NHKアナウンサーであり、『筑紫哲也 NEWS23』や『報道特集』で鋭いジャーナリズム精神を磨き上げてきた膳場貴子氏の就任は、スタジオの空気を一変させました。膳場体制の特徴は、感情に流されない正確無比なタイムキープと、各コメンテーターへのフラットかつ理知的なパスワークにあります。
コメンテーター陣の顔ぶれも徐々に新陳代謝が進んでいます。寺島実郎氏や田中秀征氏といった昭和・平成を支えた論客が重厚な世界情勢を語る一方で、安田菜津紀氏(フォトジャーナリスト)や元村有希子氏(科学ジャーナリスト)など、現代の社会課題を多角的に捉える専門家が定着しました。「週刊御意見番」においても、膳場氏の爽やかな進行が上原氏の軽快な語り口と見事にシンクロし、以前のような「怒号とため息の日曜朝」から「明るく前向きに一週間のスポーツを振り返る時間」へと番組のカラーが再構築されたのです。