日本の本州・四国に広く生息するツキノワグマ(月輪熊)は、胸部にある三日月状の白い斑紋が特徴的な中型哺乳類です。まずは、生物学的な基本スペックからそのリアルな体格を整理します。
成獣におけるツキノワグマの体長は、頭胴長(鼻先から尾の付け根まで)で約110cm〜150cmが標準的な数値です。四足歩行時の肩高(体高)は約60cm〜80cmほどで、大型犬(秋田犬やゴールデンレトリバーなど)を一回り厚みを持たせてがっしりさせたシルエットに近いサイズ感といえます。
一方、ツキノワグマの体重には顕著な性差と季節変動が存在します。オスメスの大きさの違いを比較すると以下の通りです。
【成獣の平均スペック比較】
・オス成獣:体長 120〜150cm / 体重 50〜100kg(秋の飽食期には120kg超に達する個体も存在)
・メス成獣:体長 100〜130cm / 体重 40〜70kg(オスよりも2〜3割ほど小柄)
特に注目すべきは、秋の越冬(冬眠)前に見られる激しい体重変化です。ドングリやブナの実、クリなどを大量摂取する秋季には、脂肪を蓄え込むことで夏の体重から約1.3〜1.5倍に急増します。同じ個体であっても、春先の痩せ細った状態と晩秋の丸々と太った状態では、現場で目撃した際の体格の印象が大きく異なります。