日本大学駅伝部のアイデンティティとして欠かせないのが、箱根駅伝における「留学生ランナーの系譜」です。1989年のジョセフ・オツオリ氏の衝撃的な快走以来、日大の留学生は箱根路の歴史を塗り替えてきました。現在チームを牽引するケニア人留学生も、2区をはじめとする主要区間で他校の日本人エースを圧倒する絶対的なタイムを叩き出しています。
しかし、近年のピンクの襷復活の理由は、決して留学生個人の力だけに帰結するものではありません。過去の低迷期には「留学生頼みで日本人選手が伸び悩む」という構造的課題が指摘されていました。現在の日本大学陸上競技部特別長距離部門が成し遂げた真のブレイクスルーは、日本人主力メンバーの底上げにあります。
現在の練習現場では、留学生の驚異的なスピードを日常的に肌で体感しながら、日本人選手が段階的に負荷を高めるトレーニングメソッドが確立されています。日本大学駅伝部メンバー一覧のタイム推移を確認すると、ハーフマラソンで62分台から63分台前半を記録する日本人選手が複数名台頭。留学生が稼いだリードを守り切るだけでなく、往路・復路のいずれでも堂々と勝負できる強靭なチームワークが結実しています。