コンタクトレンズは素材によって「ハード」と「ソフト」に大別され、それぞれ保存液の組成や取り扱い基準が根本から異なります。
ハードレンズはプラスチックのような硬質素材で水分を含まないため、ソフトレンズほど細菌侵入による変形リスクは高くありません。しかし、タンパク質汚れの付着や酸素透過性を維持するためにハード専用の酵素洗浄保存液が必要です。ソフト用のMPSをハードレンズに使ったり、その逆を行ったりすると、レンズの劣化や装用感の悪化を招きます。
そして、レンズの種類を問わず絶対にやってはいけないのが保存液の「使い回し(注ぎ足し)」です。
ケース内の保存液は、一晩レンズを浸けた時点で消毒効果が激減し、浮き出たタンパク質や脂質、剥がれ落ちた雑菌が浮遊しています。そこへ新しい液を注ぎ足しても殺菌力は回復せず、ケース内がバイオフィルム(細菌の巣)と化します。保存液は毎日完全に捨て、ケース本体も流水でこすり洗いした後にしっかり自然乾燥させることが不可欠です。