京都を舞台にした数々の傑作小説で知られる作家・森見登美彦。彼の作品に度々登場する四条通や鴨川周辺の風景は、多くの読者にとって憧れの聖地だ。『夜は短し歩けよ乙女』で主人公たちが夜の京都を疾走するシーンや、怪しくも魅力的な酒場巡りの舞台は、まさに四条駅から徒歩圏内に広がる先斗町や木屋町エリアそのものである。
一般的なトラベルガイドには載っていない文学的な目線で四条周辺を歩くと、普段見慣れた景色が全く違う彩りを帯び始める。古本市が開かれる神社や、小説のモデルとなった喫茶店のドアを開ければ、まるで物語のページの中に迷い込んだかのような幻想的な体験が待っている。