勝山市の恐竜博物館を筆頭とする「恐竜ブランディング」は圧倒的な認知度を誇るが、今や福井の産業界を駆動しているのは恐竜だけではない。県内でも有数の技術集積を誇る繊維・眼鏡産業が、生成AIや次世代炭素繊維との融合によって世界市場へ打って出ている。
鯖江市の眼鏡フレーム製造現場では、熟練職人の技術を学習したAI画像解析によるミリ単位の品質検査が本格導入された。人手不足を克服するだけでなく、歩留まりの飛躍的な向上を実現している。さらに、かつて合繊王国として名を馳せた福井の繊維メーカー群は、航空宇宙分野や医療用バイオ素材などの高付加価値分野へシフト。「軽くて頑丈」という素材技術の極致を追求し、欧米のテック企業からの直接受注を激増させている。伝統工芸の街が、いつの間にかディープテックの製造拠点へと変貌を遂げていた。