「定価でお譲りします」「急用で行けなくなりました」。X(旧Twitter)やInstagramの検索画面を埋め尽くす甘い言葉。その裏に潜むのは、巧妙に仕組まれたプロの詐欺グループだ。
2026年に入り急増しているのが、生成AIを活用した電子チケットの偽造被害である。過去の電子チケットのレイアウトをAIに学習させ、購入番号やQRコード、発券元のロゴを完璧に再現。一見しただけでは本物と区別がつかないデジタル画像が、SNS上で売買されている。
被害に遭った都内在住の30代女性は語る。「電子チケットの画面スクリーンショットと、身分証明書の写真まで送られてきたので完全に信用してしまいました。PayPayで3万円を送金した直後、アカウントは消去され、連絡が途絶えました」。送られてきた身分証も、他人の盗難画像を加工した偽物だった。金は戻らない。手元に残ったのは、何の価値もない1枚の画像データだけだった。