歴史ファンにとって、この山は特別な意味を持つ。天正10年(1582年)、織田信長を討つべく亀山城を出陣した明智光秀は、本能寺に向かう直前にこの地を訪れた。「愛宕百韻」と呼ばれる連歌会を催し、「時は今 あめが下なる 威徳かな」と詠んだ話はあまりにも有名だ。
光秀が何を祈り、どんな思いで山を下りたのか。苔むした石畳を歩いていると、400年以上前の息づかいがそのまま残っているかのような錯覚に陥る。歴史の転換点を目撃してきた山道は、ただのトレッキングコースではなく、時代を超越したタイムマシンそのものなのだ。