日本三大そばの一つに数えられる出雲そば。その歴史を今に伝える象徴的存在が荒木屋です。江戸時代から続く木造の趣ある外観と、のれんをくぐった瞬間に広がる出汁の芳醇な香りは、訪れる者を一気に非日常へと誘います。
荒木屋が世代を超えて支持され続ける最大の理由は、玄そば(そばの実)を殻ごと石臼で挽き込む伝統製法「挽きぐるみ」にあります。一般的な蕎麦に比べて麺がやや黒っぽく仕上がるのが特徴で、噛み締めるほどに力強い穀物の香りと深い甘みが口いっぱいに広がります。ツルツルとした喉越しだけでなく、しっかりとしたコシと豊かな風味を堪能できるのが出雲そばの醍醐味です。
さらに味の決め手となるのが、創業時から注ぎ足しながら守り続けてきた伝統の「かえし」と、ウルメ鰯や宗田節、上質な醤油を贅沢に使った秘伝のつゆです。出雲そば独特の濃厚でコクのあるつゆが、力強い蕎麦の風味をしっかりと受け止め、絶妙な調和を生み出しています。