国会議員としてのキャリアを経て、四期13年にわたり東京都庁のトップとして強いリーダーシップを発揮した石原慎太郎。首都・東京から国政をも揺るがす大胆な政策を矢継ぎ早に繰り出した彼の背後には、常に典子の揺るぎない存在感があった。
政治家の妻として、単なる行事の伴列者にとどまることを良しとしなかった。多忙を極める知事外交や選挙戦の裏で、彼女は冷静に世論の空気を感じ取り、夫に助言を送っていたとされる。過激な発言で批判を浴びることも多かった慎太郎が、唯一素顔を見せ、弱音を吐くことができた場所――それが典子の守る家庭であり、彼女の持つ包容力こそが政治家・石原慎太郎の動力を生み出していた。