では、どのようにしてこの呪縛から逃れればよいのか。現在、臨床の第一線で最も高い効果を上げているのが認知行動療法(CBT)だ。克服への道のりは、「思考の偏り」を解きほぐすことから始まる。
第一のステップは、「笑ってはいけない」という極端なプレッシャーを手放すことだ。「緊張すると脳が勘違いして笑いが出そうになるのは自然な生理現象だ」と自分に許容を与えることで、予期不安のループを断ち切る。第二に、マインドフルネスやグラウンディング技法を取り入れ、緊張が高まった瞬間に足の裏の感覚や深呼吸に意識を向け、身体の過緊張を和らげる訓練を行う。第三に、段階的暴露療法(エクスポージャー)によって、あえて苦手な環境に身を置き、「笑わずにやり過ごせた」という成功体験を脳に上書きしていく。