1971年前後、日本の玩具市場に突如現れた輸入玩具が、全国の子供たちを虜にした。指にリングをはめ、紐の両端につけられた硬質プラスチックの球体を上下に激しく打ち合わせる。ただそれだけの動作なのだが、リズム良く打ち続けるには高度なコツが必要だった。熟練者が繰り出す連続打撃音はまるで小銃の連射のようで、学校の休み時間や放課後の公園は、文字通りこの音で埋め尽くされていた。
当時の駄菓子屋や文房具店では入荷待ちの行列ができ、類似品を含めて数百万個単位で売れたとされる。単なる子供の遊びにとどまらず、大人の間でも宴会芸やストレス解消アイテムとして広がるなど、日本全体を巻き込む社会現象となったのである。