柱を1本も立てずに直径200メートル超の巨大空間を覆う。この難題をクリアしたのが「空気膜構造」という建築手法だ。加圧ファンを使ってドーム内部の気圧を外気より僅か0.3%(約3ヘクトパスカル)高く保ち、その圧力差によって重さ約400トンの屋根全体を持ち上げている。身近な例で言えば、息を吹き込み続けて膨らませている風船と同じ原理だ。
気圧を高めているとはいえ、観客が耳鳴りを感じるほどの差はない。ビルの1階から2階へ上がるとき程度の極めて小さな変化に過ぎないからだ。しかし、この微小な気圧差を維持するために、運営元である株式会社東京ドームの裏側では緻密な気圧コントロールが行われている。出入口に設置された回転ドアは、観客の出入りによる急激な空気漏れを防ぐための重要な設備なのだ。