血液培養手順の実践マニュアル|2セット採取の理由と好気嫌気の鉄則

血液培養手順の実践マニュアル|2セット採取の理由と好気嫌気の鉄則

血液培養手順の実践マニュアル|2セット採取の理由と好気嫌気の鉄則の要点を詳しく解説してご紹介します。

中心静脈カテーテル(CVC)やPICC(末梢挿入型中心静脈カテーテル)が長期留置されている患者で発熱を認めた場合、その熱源がカテーテル自体にあるのか、それとも肺炎や尿路感染症などの他臓器にあるのかを見極めることは治療戦略上、極めて重要です。ここで威力を発揮するのが、血液培養カテーテル採血の鑑別技術です。

カテーテル関連血流感染症(CRBSI)を疑う場合、決して「カテーテルからのみ採血して終わる」という手技を行ってはなりません。必ず「末梢静脈からの穿刺血」と「疑わしいカテーテル内腔(ルーメン)からの吸引血」を、同一時刻に、同量採取して培養にかけることが必須原則となります。

診断の決定打となるのが、検査室の自動機器によって測定される血液培養陽性時間(DTP: Differential Time to Positivity)の判定基準です。カテーテル採血と末梢血穿刺採血のボトルを同時に培養装置へ投入した際、培養開始から菌増殖のシグナルが検出されるまでの時間差を比較します。

もしカテーテルの内腔に強固なバイオフィルムが形成され、そこが感染巣(CRBSI)であるならば、カテーテル内から採取した血液中の菌数は末梢血中よりも圧倒的に多くなります。菌数が多ければ多いほど、自動機器の閾値に達する時間は短縮されます。国際基準では、「カテーテル採血の陽性判明時間が、末梢血の陽性判明時間よりも2時間以上(120分以上)早い場合」、感度・特異度ともに90%以上の極めて高い精度でCRBSIと確定診断されます。

逆に、末梢血の方が早く陽性になったり、時間差がほとんど見られない場合は、カテーテルではなく肺や腹腔内など別の病巣から菌が血中へ流出している可能性が高く、貴重なカテーテルを無駄に抜去せずに済む判断材料となります。この鑑別プロトコルを成立させるためにも、採取時刻と採取部位(「右前腕静脈」「CVC白ルーメン」等)を検体ラベルへ正確に記載する事務的徹底が求められます。

加藤 愛美
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加藤 愛美

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。