時計の針を20年ほど巻き戻すと、そこには今とはまったく異なる光景があった。上半身裸の男性モデルが店舗前に立ち、照明を極限まで落とした店内に独特の香水が漂う――それが当時のスタイルだった。若者たちのステータスシンボルとして君臨した一方で、その「特定の体型やルックスを持つ人々だけを歓迎する」排他的なブランドイメージは、時代の変化とともに激しい批判の対象となった。
2010年代に入ると、多様性(ダイバーシティ)やインクルージョンを重視する社会の価値観と決定的なズレが生じ、売上は急降下。店舗の閉鎖が相次ぎ、ブランドは存続の危機に立たされた。「流行遅れの遺物」と揶揄された時期は長く続いた。