二人の出会いは1980年代末にさかのぼる。当時、すでに多忙を極めていた女優の泉ピン子が出会ったのは、消化器内科医として臨床の現場で汗を流していた武本憲重氏だった。華やかな表舞台に立つ彼女と、誠実に命と向き合う医師。一見するとまったく異なる世界に生きる二人だったが、急速に惹かれ合い、1989年にゴールインを果たした。
しかし、結婚生活は平坦な道ばかりではなかった。結婚から数年後、夫である武本氏に隠し子が存在することが発覚。ワイドショーや週刊誌はこぞってこのスキャンダルを報じ、世間には大きな衝撃が走った。だが、ここで見せた彼女の対応は常人の想像を超えるものだった。怒りや悲しみを抱えながらも、記者会見で堂々と夫をかばい、相手方への養育費の支払いを含めて自ら問題を引き受ける姿を見せたのだ。この一件は、単なるスキャンダルを超えた壮絶な愛憎劇として記憶されている。