グループの歴史を語る上で欠かせないのが、大島優子との対比だ。太陽のように明るく圧倒的なパフォーマンス力で観客を魅了する大島に対し、前田は月のように静けさとミステリアスな魅力を湛えていた。この二人の熾烈なセンター争いは、ファンを熱狂させ、エンタメ界全体を巻き込む一大ドラマへと発展した。
総合プロデューサーである秋元康は、早くから前田の中に潜む「不完全さゆえの美しさ」を見抜いていたという。完璧な技巧ではなく、感情の揺らぎや素の感情がそのままスクリーンやステージに漏れ出す瞬間。それこそが、彼女を単なるアイドルにとどまらせない、天性のスター性の正体であった。