朝夏まなとの歩みを語る上で外せないのが、2015年2月の宝塚歌劇団宙組トップスター就任から2017年11月の退団に至る軌跡です。宙組の歴史の中でも屈指のダンサーとして組を牽引した彼女が、なぜあのタイミングで卒業を決意したのか。当時の退団記者会見で本人が語った言葉の端々には、トップスターとしての確固たる哲学が宿っていました。
トップ就任時から常に「限られた時間の中で何を残せるか」を意識していたといい、退団理由については「自分の中で情熱を注ぎ切り、男役としての集大成を迎えられたと感じたから」と明かされています。決して外的要因によるものではなく、完全燃焼による円満な退団でした。
そして宙組時代を語る上で欠かせないのが、トップ娘役を務めた実咲凜音とのコンビネーションです。ファンから「朝夏&実咲(みりま)」として絶大な支持を集めた二人は、実咲凜音が2017年4月に一足早く退団する際にも、互いを深くリスペクトし合う感動的なフィナーレを見せました。特筆すべきは、その絆が宝塚時代の一過性のもので終わっていない点です。退団後もSNSへのツーショット投稿や共演、プライベートでの親密な交流が続いており、表面的なビジネスパートナーを超えた生涯の戦友としての関係性が、現在もファンの心を温め続けています。