悲劇は連鎖する。母の死からわずか2日後、デヴィ夫人が溺愛していた2歳下の弟・八曾男(やすお)さんが自ら命を絶った。大学進学の費用を巡るトラブルや、母を失った絶望、そして「姉が売名行為で大統領の元へ行った」という世間の冷たい風評に耐えかねての衝動的な行動だったとされる。
たった数日の間に、最愛の母と弟を同時に失ったデヴィ夫人の絶望は、計り知れない。「自分が日本を離れなければ、二人は死なずに済んだのではないか」。この深い自責の念は、彼女の心に消えない傷跡を残した。しかし、彼女はここで崩れ落ちることはなかった。むしろ、この悲劇を乗り越えることこそが、遺された自分の使命だと狂気的なまでの覚悟を決めたのだ。