アオイの人生において、蟲柱・胡蝶しのぶの存在は揺るぎない道しるべである。幼少期に鬼によって家族を殺され、孤児となったアオイを引き取り、居場所を与えたのが胡蝶姉妹だった。特にしのぶは、医療の知識と技術を授け、前線に出られないアオイの適性を誰よりも理解していた。
しのぶ自身もまた、腕力に恵まれない中で毒を駆使して戦うという苦闘を続けていた。だからこそ、戦えないアオイを蔑むことは決してせず、後方を支える重要性を諭したのである。しのぶから託された蝶屋敷を守り抜くこと。それはアオイにとって、恩人に対する最大の報恩であり、誇りそのものであった。