舞台となる静岡県静岡市清水区は、古くから東海道の要衝として、また駿河湾に面した重要港湾として独自の文化を育んできた。この街のアイデンティティを語る上で避けて通れない人物こそが清水の次郎長こと山本長五郎である。
幕末から明治という激動の時代において、彼は単なる侠客にとどまらない多面的な顔を見せた。富士裾野の開墾事業、英語教育の奨励、そして清水港の近代化に向けた蒸気船航路の開設など、その視線は常に未来に向けられていた。本店史跡に佇むと、無法者としての虚像ではなく、地域の復興と近代化に命を懸けた実業家・社会事業家としての実像が浮き彫りになってくる。