樋口真嗣監督といえば、ダイナミックなビジュアルと精巧なミニチュア特撮、そして最新のデジタル技術を融合させる手腕で知られる。一方の小栗旬は、複雑な内面を持つ人物を鋭い洞察力で体現する演技派だ。この二人が手を取り合うことで、本作は単なるCG頼みのパニック映画を脱し、上質な緊張感あふれるサスペンス作品へと昇華している。
極限状態のなかで突きつけられる「誰を救い、何を捨てるか」という究極の選択。張り詰めた緊張感の中で交錯する登場人物たちの意図や秘密が、物語に重厚なサスペンスの深みを与えている。監督の巧みな演出と小栗の緻密な演技が見事に噛み合い、観客の心拍数を絶え間なく跳ね上げる構造が完成した。