エイリアンを語る上で欠かせないのが、クレーンゲームのアームを絶対的存在として崇める「カミサマ〜(The Claw)」という名セリフです。第1作において、ピザ・プラネット店内の巨大なロケット型クレーンゲームの中に閉じ込められていた彼らは、景品を掴み上げる金属製のアームを「外の世界(天国)へと魂を導く救世主」として盲信していました。
当時の制作スタッフの手記や映像特典のインタビューによると、このユニークな集団心理は「外界を知らない閉鎖環境で育った無垢な玩具たちが、偶然の力学で動く機械を絶対的神と誤認したらどうなるか」というピクサー流のアイロニーから誕生しました。選ばれた仲間が乱暴な少年シドに連れ去られても、彼らは悲劇ではなく「栄光の昇天」として歓喜で見送ります。この無邪気さとブラックユーモアの絶妙な配合こそが、大人をも惹きつけるエイリアンの真骨頂です。
独特の甲高いユニゾンボイスは、原語版ではピクサーのアニメーターであるジェフ・ピジョンが担当。ヘリウムガスを吸ったような声を意識し、あえて機械加工に頼り切らず生声のトーンを重ねて収録されました。日本語吹替版では、ベテラン声優の三ツ矢雄二や落合弘治、多田野曜平らが怪演し、一度聴いたら耳から離れない強烈なインパクトを確立しています。