1969年5月7日生まれ、愛知県出身の佐藤二朗は、50代半ばを過ぎた現在も第一線で多忙を極めるトップバイプレイヤーです。画面越しには親しみやすいキャラクターとして映りますが、公称身長181cmという恵まれた体躯を持ち、舞台や映画の現場では圧倒的なフィジカルの強さと威圧感すら放ちます。
現在でこそ国民的人気俳優として名を馳せていますが、そのキャリアは決して順風満帆ではありませんでした。信州大学経済学部を卒業後、就職活動を経てリクルート系の企業へ入社するも、初日のオリエンテーションで「自分は俳優になりたい」と痛感し、わずか数日で退職するという異例の決断を下します。当時の心境について、本人は過去のロングインタビューで「会社員としての未来が想像できず、役者への衝動をどうしても抑えられなかった」と赤裸々に振り返っています。
その後、文学座付属演劇研究所への入所を経て劇団「自転車キンクリート」に旗揚げから参加。しかし、すぐに芽が出たわけではなく、30代前半まではアルバイトで生計を立てる過酷な下積み時代が続きました。転機となったのは、演出家・映画監督の堤幸彦に見出されたドラマ『ブラック・ジャックII』や『TRICK』への出演です。数分間のワンシーンで強烈な爪痕を残す演技スタイルが業界内で瞬く間に話題となり、以降、映像界に欠かせないキーパーソンへと駆け上がっていきました。