『頭文字D』全編を通じても屈指のトラウマシーンとして語り継がれるのが、赤城山で行われた須藤京一と藤原拓海の初バトルです。茂木なつきとの一件で感情的になり、自暴自棄のまま赤城に乗り込んできた拓海に対し、京一は冷徹かつ容赦のない「授業(セミナー)」を敢行しました。
京一は「直線が速いだけのマシンではない」ことを示すため、あえて拓海を先行させ、ストレートでランエボIIIの圧倒的パワーを見せつけます。ハチロクのノーマル4A-Gエンジンを限界以上の高回転で回し続けさせ、精神的にも機械的にも拓海を追い詰めていきました。
結果、拓海のハチロクはコーナーの立ち上がりで無残にも「エンジンブロー」を起こして白煙を吹き上げ完全停止。京一は拓海を見下ろすことなく、クルマの限界性能を見誤った甘さを指摘してその場を去りました。拓海が初めて「マシンの差と自らの無力さ」を痛感したこの敗北は、その後のプロジェクトD加入とドライバーとしての急成長に不可欠なターニングポイントとなりました。