SNSや口コミサイトでは「芸能人おすすめの高級チョコ=絶対に誰でも喜ぶ完璧なギフト」という風潮が見受けられますが、ここには大きな落とし穴が存在します。
第一の盲点は、カカオの酸味と苦味に対する嗜好の分断です。一流ショコラティエが手掛けるシングルオリジン(単一産地)のカカオは、ベリーのような強いフルーティーな酸味や独特のスモーキーな風味を持っています。これはカカオマニアにとっては極上の味わいである一方、一般的なミルクチョコレートのまろやかさに慣れ親しんだ層にとっては「酸っぱくて口に合わない」「苦すぎる」と感じられるケースが少なくありません。
第二の注意点は、洋酒(リキュール・ブランデー等)の使用の有無です。名門メゾンのスペシャリテには、風味づけのためにアルコールがしっかりと効かされたものが多数存在します。お酒に弱い方や妊娠中・授乳中の方、また運転前の差し入れとしては不適切となるリスクを孕んでいます。
第三に、バレンタイン時期やネット通販における転売・温度管理トラブルです。希少価値の高いブランドがフリマアプリ等で高額出品されるケースが後を絶ちませんが、チョコレートは15〜18℃前後の厳格な温度管理を怠ると、油分が浮き出て白く変色する「ブルーム現象」を起こし、食感と風味が致命的に損なわれます。公式オンラインショップや百貨店の正規売り場以外での購入は避けるべきです。