近年、国際的な動画配信サービスNetflixで配信された海外の科学ドキュメンタリー作品や報道番組が、研究者の不安定な雇用問題にスポットを当て、大きな反響を呼んだ。スポットライトが当たるノーベル賞級の研究の陰で、実質的な実験や論文執筆を担う若手・中堅研究者がいかに使い捨てに近い雇用の波に晒されているかが描かれたためだ。
この波紋は日本の高等教育業界にも大きな一石を投じた。「特命」や「特定」という立派な肩書が与えられながらも、5年の任期満了に伴う「無期転換ルール逃れ」や雇い止めに直面する現実が、SNSやメディアを通じて広く一般に知られることとなったのだ。
見栄えの良い職名と実体としての雇用の不安定さ——このギャップに対する批判の高まりは、大学側の人事戦略にも少しずつ変化を迫り始めている。