橋本愛という才能が世に衝撃を与えたのは、中島哲也監督の映画『告白』だった。クラスメイトたちの狂気の中で異質な冷徹さと切なさを漂わせた少女の姿は、観る者の脳裏に焼き付いて離れない。続いて出演した『桐島、部活やめるってよ』では、揺れ動く思春期の複雑な感情を等身大のリアリティで演じ切り、数々の映画賞を受賞した。
そして全国的な知名度を確固たるものにしたのが、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』での足立ユイ役だ。地方都市からの脱出を夢見ながら挫折と葛藤に苛まれるヒロインの親友役を熱演し、国民的女優の仲間入りを果たした。少女期の瑞々しさと陰影を併せ持つ稀有な演技力は、すでにこの頃から完成されつつあった。