扉をくぐると、まず目に飛び込んでくるのは壁一面の巨大な黒板だ。そこには「今週の街の出来事」や「譲ります・探しています」といった手書きのカードがぎっしりと貼られている。受付で名前を書く必要もなければ、利用料の徴収も原則としてない。誰もがふらりと立ち寄り、思い思いの時間を過ごす。
「最初は散歩のついでに、ちょっと涼みに立ち寄っただけだったの」と笑うのは、近くに住む70代の女性だ。「気づけばここで近所の子どもたちに昔遊びを教えたり、美味しい野菜の煮方を話したり。家に一人でいるより、ここに来たほうが1日がずっと短く感じるのよね」。かつて孤立しがちだったシニア層が、ここでは自然な形で「街の先輩」として頼りにされている。