地域社会での受け皿となる現場もまた、深刻な窮地に立たされている。国連の障害者権利条約に批准し、インクルーシブな社会を目指す理念は掲げられたものの、実効性を伴うインフラ整備は追いついていない。障害福祉サービス業においては、人手不足と慢性的な低賃金が続いており、現場の支援員が十分な余裕を持って当事者の行動を支えきれないケースが相次いでいる。
日本障害者協議会をはじめとする各種団体は、単に施設やサービスを増設するだけでなく、地域全体で障害者を支えるネットワークの構築と労働環境の抜本的改善を訴え続けている。現場が疲弊し、社会から孤立することで、当事者のパニックや行動障害がパブリックな場所で浮き彫りになり、それが一般の人々の拒絶反応をさらに強めるという悪循環が生み出されているのだ。