近年のテレビドラマや映画を観ていて、「どこかで見たことがある、絶妙にリアルな人物」に目を奪われた経験はないだろうか。まさにそれこそが彼の真骨頂だ。『舞いあがれ!』や『らんまん』、『おむすび』といったNHK連続テレビ小説をはじめ、多くの話題作で彼が演じてきたのは、どこか不器用で、けれど人間臭いキャラクターたちである。
彼が画面に登場した瞬間、フィクションの世界にふっと日常の匂いが混ざり込む。セリフを喋っていない瞬間の立ち姿や、目線の泳がせ方一つをとっても、現実の街角に生きていそうな佇まいを完璧に作り上げているのだ。この「カメラの前で普通に生きる」技術の高さこそが、視聴者の記憶に深く刻み込まれる理由だろう。