2026年度入学生から年次進行で適用された新学習指導要領は、2026年度入試を経て2026年現在の高校教育現場に完全に定着しました。かつての旧課程と比較して、科目区分と単元配置には決定的な変化が生じています。
最も大きな変更点は、「数学C」の復活と「ベクトル」の移動です。旧課程で数学Bに含まれていた「ベクトル」が数学Cへと移管され、理系受験生はもちろん、国公立大学文系志望者でも共通テストで「数学II・数学B・数学C」を選択する場合、ベクトルの履修が必要となりました。これにより文系生徒の学習負担が実質的に増大しています。
科目ごとの具体的な単元構成と役割の違いは以下の通りです:
数学I・数学A:高校数学の基礎となる必修領域です。数学Iでは「数と式」「2次関数」「図形と計量」「データの分析」を学び、新課程では「四分位数」「箱ひげ図」「仮説検定の考え方」など統計的思考が強化されました。数学Aは「場合の数と確率」「図形の性質」「数学と人間の活動」の3単元で構成され、学校ごとに履修選択が行われます。
数学II・数学B:発展的な解析と数列を担います。数学IIの「三角関数」「指数・対数関数」「微分・積分の基礎」に加え、数学Bでは「数列」「統計的な推測」を扱います。新課程共通テストでは「統計的な推測」の選択率が上昇傾向にあり、従来の数列一辺倒からの変化が見られます。
数学III・数学C:理系学部・医学部進学者の専門領域です。数学IIIは「極限」「微分法」「積分法」の高度な計算技術と応用を極めます。数学Cは「ベクトル」「平面上の曲線と複素数平面」「数学的な表現の工夫」からなり、国公立理系大学の2次試験では数学IIIと数学Cの融合問題が標準的な出題となっています。