白井球審の名が一般のニュース番組でも連日取り上げられる契機となったのが、2026年4月24日に京セラドーム大阪で行われたオリックス・バファローズ対千葉ロッテマリーンズ戦での出来事です。前週に完全試合を達成し、社会現象となっていた佐々木朗希投手が先発登板した2回裏、ツーアウト走者一塁の場面でした。
カウント2ボール1ストライクからの4球目、外角低めいっぱいに投じられた直球はボールと判定されます。佐々木朗希投手がマウンド上でマウンドを降りかけながら苦笑いを浮かべ、首をかしげるような仕草を見せた瞬間、白井一行球審が厳しい表情でマスクを外し、マウンドの佐々木投手に向かって歩み寄ったのです。
この異例の事態に球場は騒然としました。しかし、両者が直接対峙して一発退場などの最悪の事態に至るのを防いだのが、当時高卒1年目のルーキー捕手だった松川虎生選手でした。松川捕手は異変を察知するやいなや素早く白井球審の前に立ちふさがり、両手を広げて胸元を抑えるようにして冷静に対話を試みました。さらにロッテベンチから井口資仁監督(当時)が飛び出して状況を確認し、試合は事なきを得て再開されました。
関係者の証言や当時の状況分析によると、詰め寄り騒動の根本的な理由は「審判のストライク判定に対して露骨に不満な態度を示すことは、公認野球規則に反し試合の品位を損なう」という審判員としての強い規律意識にありました。しかし、試合進行を司るべき審判が感情的にマウンドへ歩み寄ったように見えた振る舞いは、球界内外で大きな議論を巻き起こしました。
気になる白井球審処分について、NPB審判部およびコミッショナー事務局は公式な出場停止や降格といった懲戒処分は下しませんでした。ただし、後日NPB審判長から「冷静さを欠いた行動であり、もっと別の対処法があった」として厳重な注意・指導が行われたことが報じられています。