エスプレッソを注いだカップの表面に浮かぶ、きめ細やかな赤褐色の泡の層を「クレマ(Crema)」と呼びます。このクレマは、高圧下でコーヒー豆に含まれる炭酸ガスと油分が乳化して生成されるものです。
クレマの役割は大きく3つあります。第1に、抽出直後の豊かなアロマを泡の膜で閉じ込める「フタ」の役割。第2に、液体の急激な温度低下を防ぐ保温効果。第3に、口当たりを滑らかにし、舌の上で感じる苦味をまろやかに包み込むテクスチャーの形成です。良質なエスプレッソには、厚さ数ミリの弾力あるクレマが欠かせません。
本場流!エスプレッソの正しい飲み方
イタリア現地において、本場イタリアのバール文化は市民のライフスタイルそのものです。朝や仕事の合間、街角のバール(Bar)に立ち寄り、カウンター越しにバリスタへ注文してわずか数十秒で飲み干す姿が日常となっています。
現地で推奨されるエスプレッソの正しい飲み方には明確な手順が存在します。
- まずクレマと液層を混ぜる:スプーンを使って底から軽くかき混ぜ、上層の酸味・中間層のボディ・下層の苦味を均一に馴染ませます。
- 砂糖を躊躇なく加える:本場ではティースプーン1〜2杯の砂糖を入れるのがスタンダードです。砂糖を入れることで酸味と苦味の角が取れ、まるでチョコレートのような濃厚なデザート感へと変化します。
- 冷めないうちに2〜3口で飲む:ちびちび時間をかけて飲むのではなく、アロマが最も立ち上る熱いうちにクイッと飲み干します。
- 底に残った砂糖をすくって楽しむ:最後にカップの底に溶け残った、コーヒーの旨味を吸った砂糖をスプーンですくって食べるのが至福の締めくくりとされています。