事件から長い歳月が流れた今、被害者の遺族はどのような生活を送っているのか。事件発覚当時、世田谷区内の高級住宅街にあった実家には連日過熱した報道陣が押し寄せた。母娘2人暮らしだった母親はメディアの激しいバッシングと好奇の目に晒され、精神的に深い傷を負った。
関係者の証言によると、母親は事件後、近隣との交流をほぼ断ち、妹夫婦らの支えを受けながら静かに余生を過ごしたとされる。娘のあまりに痛ましい最期と、世間に暴かれた二重生活の現実は、遺族の人生を決定的に狂わせた。
一方で、この事件は人間の二面性や現代女性の孤独を象徴する題材として、多くのクリエイターに強い影響を与えてきた。
- 映画『恋の罪』(園子温監督 / 2011年):本事件をモチーフに、昼は貞淑な妻でありながら夜は街頭に立つ女性の狂気と救済を描き、国内外の映画祭で激しい議論を呼んだ。
- 小説『グロテスク』(桐野夏生著 / 2003年):名門女子高の格差社会とエリート女性の転落を冷徹に描き、泉鏡花文学賞を受賞。被害者の内面心理に迫る傑作として高く評価された。
- ノンフィクション『東電OL殺人事件』『東電OL症候群』(佐野眞一著):被害者の生い立ちから裁判の歪みまでを徹底取材し、平成を代表する事件ノンフィクションとしての地位を確立した。