クマスプレーの有効性は、個人の体験談にとどまらず科学的な調査研究によって裏付けられています。最も著名な調査のひとつが、アラスカ大学の野生動物生物学者トム・スミス博士らが発表した論文です。
アラスカで発生した数十年にわたるクマ遭遇事案(ヒグマ、ブラックベア、ホッキョクグマ)を分析した結果、クマスプレーを使用した人の約92%がクマの好戦的な行動を阻止することに成功し、重大な負傷を免れたことが判明しました。興味深いことに、銃器を使用して自衛を試みたケースよりも、スプレーを使用したケースのほうが負傷率が著しく低いというデータも示されています。
日本国内でも、知床半島でヒグマの保護管理を行う専門機関や、東北・甲信越の山林でツキノワグマに遭遇した登山者・林業作業者がスプレーを噴射し、間一髪で突進を止めた実績が多数記録されています。統計的に見ても「助かった人はいない」という言説は全くのデタラメです。