美しいシルエットを生み出す具体的な野球帽子ツバの曲げ方について、職人が現場で実践するスタンダードなワークフローを解説します。準備するものは、スチームアイロン(またはドライヤー)、外径8〜10cm前後の円柱容器(ステンレス製タンブラーや太めの水筒)、そして幅広の平ゴムバンドです。
ステップ1では、バイザーの付け根から先端にかけて均等にスチームを当てます。スチーマーの吹き出し口を生地から約2〜3cm離し、表側だけでなく裏面からも蒸気をしっかり通してください。生地がしっとりと温まり、指で軽く触れて弾力が柔らかくなったことを確認します。
ステップ2でバイザーを円柱容器の外周に沿わせるように包み込みます。このとき、野球キャップ輪ゴム固定を行うにあたって絶対に避けるべきなのは、通常の細い輪ゴムを単体で強く巻きつけることです。細いゴムは締め付け圧が局所に集中し、バイザーのサイドエッジに食い込んで消えない圧痕や折れ目を作ってしまいます。ゴムを使用する場合は、太さ15mm以上の幅広バンドを用いるか、バイザーとゴムの間に厚紙やフェルトを挟んで面圧を分散させるのがプロの常識です。
ステップ3として、そのままの状態で完全に熱が抜け、湿気が乾くまで約15分間静置します。さらに強固に形状を固定したい場合は、ドライヤーの冷風モードを20秒間まんべんなく吹き付けることで、芯材の樹脂ポリマーを急冷させ、しなやかなアーチを長期間キープさせることが可能になります。