それでは、具体的にどのブランドが支持されているのか。芸能人マネークリップの市場を語る上で、外せない5つの顔を紹介しよう。
1. エルメス(Hermès)——孤高の王者
やはり鉄板はエルメスだ。「Kelly Dog(ケリードッグ)」や「Collier de Chien(コリエ・ド・シャン)」といった馬具由来のデザインは、芸能人マネークリップの中で最高峰とされる。シルバー925のケリードッグは、使い込むほどにアンティーク調の深みが増す。まさに「一生もの」を探すプロフェッショナルに支持されている。価格は決して安くないが、リセールバリューも考慮すれば、実は最もコスパの良い投資かもしれない。
2. サンローラン(Saint Laurent)——ストリートのカリスマ
ストリートと上品さの狭間で、最も支持されているのがサンローラン。無骨なブラックレザーに、さりげなく刻まれた「YSL」のロゴ。若手俳優やモデルは、これをデニムのバックポケットに差すカジュアルスタイルを好む。現金とカードの収納バランスが秀逸で、キャッシュレス時代にあっても実用性を重視するファンを増やしている。カジュアルな場面での芸能人マネークリップといえば、まずこれを思い浮かべる人も少なくないだろう。
3. ボッテガ・ヴェネタ(Bottega Veneta)——静かなる威厳
ロゴを見せないエレガンス。それがボッテガの美学だ。イントレチャート(編み込み)のマネークリップは、持つ人のセンスだけが評価されるアイテム。キャッシュレス化が進むからこそ、あえて現金を持ち、それを美しく包む。知る人ぞ知る芸能人が愛用し、そのミステリアスな魅力がファンを惹きつけて止まない。スーツスタイルに差し色として取り入れると、一気に知性が漂う。
4. カルティエ(Cartier)——愛の彫刻家
「愛のブランド」カルティエが生み出すマネークリップは、ミニマルにして強烈な存在感を放つ。特に「トリニティ」のモチーフは、多くの芸能人の憧れだ。三色のゴールドが織りなすデザインは、指輪と揃えてコーディネートする玄人好みのスタイルもある。金属そのものの美しさを追求した、ジュエリーの延長線にある芸能人マネークリップと言える。
5. 日本の匠の技——金子鯱と国産ブランド
忘れてはならないのが、日本のブランドだ。「金子鯱(Kaneshige)」のシルバークリップは、日本の芸能人、特に落語家や伝統芸能の関係者に絶大な支持を得ている。また、「イデ(IDE)」や「土屋鞄製造所」の革製品は、海外ブランドとは一線を画す繊細な縫製と、使う人の手に馴染む哲学が根底にある。海外のラグジュアリーブランドにはない「侘び寂び」の精神が、多くの芸能人を惹きつけて止まない理由だ。