人間の心理と対話の本質を捉えた知見は、時代を超えて受け継がれてきた。古典的な名著として知られるデール・カーネギーの『人を動かす』では、他人に好感を持たれ信頼を得る最善の方法は「熱心な聞き手になること」だと強調されている。自分を売り込むことばかりに固執するのではなく、相手の関心事に対して心からの興味を寄せることが、人の心を動かす第一歩なのだ。
日本国内においても、阿川佐和子氏の著書『聞く力 心をひらく35のヒント』(プレジデント社)がミリオンセラーとなり、空前の「聞く力」ブームを巻き起こした。同書で明かされた相槌の工夫や、相手をリラックスさせる素直な姿勢は、現代の対話術においても色あせない金字塔となっている。相手の懐に自然に入り込むそのスタイルは、現代のビジネスや日常のやり取りにおいても極めて有効な指針である。