地形や歴史の痕跡を紐解く人気テレビ番組、NHKの『ブラタモリ』でも、この閘門と周辺の水路網は大きく取り上げられた。番組内でもタモリ氏がその構造と歴史的背景に強い知的好奇心を示したように、扇橋閘門は東京の「凸凹」と水害対策の歴史を学ぶ上で欠かせないランドマークだ。
江東区の運河を巡るフィールドワークは、単なる観光地の散策とは一線を画す。扇橋閘門を境にして、西側の隅田川水系と東側の低水位水系で街の護岸の高さや水門の構造がまったく異なっていることに気づくはずだ。川沿いの遊歩道(親水テラス)を歩くだけでも、都市が水とどのように対峙し、共生してきたのかという重層的なドラマが浮かび上がってくる。