あらためて、彼の足跡を振り返りたい。マット界にその名を轟かせた最大の金字塔といえば、やはり北京オリンピックでの大躍進だろう。圧倒的なスピードと鋭いタックルを武器に、強豪ひしめくフリースタイルレスリングの世界で快進撃を続けた。
また、彼のキャリアを語る上で欠かせないのが、双子の弟である湯本進一の存在だ。進一もまた、2012年ロンドンオリンピックで銅メダルを獲得したトップアスリートである。互いに高め合い、追いかけ続けた二人の「湯本兄弟」の存在は、当時のマット界における象徴的なドラマであった。切磋琢磨した兄弟の絆とライバル意識は、いま指導者となった彼らのベースにも力強く流れている。