今大会で快投を続ける横手投げ投手たちの多くが、最初からサイドスローだったわけではない。中学時代や高校入学当初は上から投げる本格派を目指していたものの、伸び悩みやケガ、チーム内での生き残りをかけてフォーム変更を決断した者が目立つ。
「上から投げて140キロを出すよりも、横から投げて135キロで打者の手元を狂わせる方がチームの勝利に貢献できる」。ある甲子園出場の横手右腕は晴れやかな表情で語った。自分の骨格や柔軟性、そして球質を客観的に見つめ直し、試行錯誤の末にたどり着いた横手投法。それは消極的な選択ではなく、勝利に対する極めて前向きで知的な戦略的アプローチだったのだ。