「カンチ、キスしよ!」――夜の街角に響き渡ったあの弾けるような一言。脚本家・坂元裕二の鋭い言葉選びと、鈴木保奈美の天性の表現力が奇跡的な化学反応を起こした瞬間だった。当時、彼女が身に纏っていた紺のブレザーやサファリジャケット、大判のマフラーといったスタイリングは、放送直後から全国のアパレルショップで完売が相次ぐ社会現象となった。
撮影現場の熱量は異例なほど高かったという。極寒のロケーション撮影が続く中、スタッフとキャストが一体となって「誰も見たことがない新しい時代のドラマ」を作り上げようと奔走していた。カメラが回っていない時間でも、彼女の立ち振る舞いはまさに赤名リカそのもの。その一挙一動が、制作陣に新たなインスピレーションを与え続けたのだった。