ミッフィーの魅力は平面のグラフィックだけにとどまらない。日本でも大きな話題を呼んだ映画『劇場版ミッフィー どうぶつえんで宝さがし』は、伝統的なストップモーション・アニメーションの手法を取り入れ、ミッフィーの立体的な実存感を観客の網膜に焼き付けた。クレイやパペット特有の柔らかな質感や、光と影の陰影が織りなす空間表現は、その後の商品開発にも計り知れない影響を与えている。
映画を通じて立体の可愛らしさを再発見したファン層に向けて、近年はシリコンライトやコーデュロイ生地のぬいぐるみ、マットな質感のフィギュアなど、触覚に訴えかけるプロダクトが急増した。360度どこから見ても破綻しない愛らしいフォルムと、空間にすっと馴染む上質なマテリアルの選定。映像作品が提示したクラフトマンシップの精神は、手元に置くグッズのクオリティを格段に引き上げる原動力となっている。